光岡 忍×高嶋 ちさ子

文字はその人の個性、上手い下手は関係なし

高嶋さん

そういえば、さっきのラブレターのお話を聞いてふと思ったんですが、手紙なんていつから書いてないだろうってくらい書いてないですね。今、そういう方って増えていると思うんですが、きちんとした方や年輩の方は必ず一筆添えて下さるので、自分もやろうって思うんですけどね……。

光岡さん

あまりマナーにとらわれすぎると億劫になってしまうと思うんですが、ほんの一言だけでも手書きのメッセージを添えるだけで、印象が全然違ってきますよね。書くという行為でちょっとしたコミュニケーションもとれますし、自分らしさも伝えられると思うんです。書いて伝えることの素晴らしさを伝えていきたいですね。

高嶋さん

私、すごく字が下手くそなので、余計に書きたくないんですよね（笑）。逆に手紙を書くことで、ふざけているんじゃないかと思われそうで。子どもの欠席届を書いたら、私の字だと「絶対ウソついてるでしょ」、って思われそうな字なんですよ（笑）。

光岡さん

文字も個性のひとつなので、あまり気にしなくていいと思いますよ（笑）。

高嶋さん

いやいや、そんなことないんですよ。だから文字に自信がない人のために、便箋にあらかじめ薄く「ありがとうございます」などのメッセージが書いてあって、あとは文字の上をペンでなぞるだけでOKという形式の商品があればいいのになって思っているんですよ。一応手書きには違いないし、文字もきれいだから、人様に恥ずかしい思いをすることなく送ることができるんじゃないかなと。

光岡さん

ペン習字講座みたいですね（笑）。でも、ペンによっても文字の印象って全然違ってくるんですよ。たとえば万年筆ならインクがきれいににじむので、文字が美しく見えるんです。

高嶋さん

字が下手な私にとっては、万年筆なんて一番使ってはいけないアイテムだと思っていましたよ！

光岡さん

そんなことはないですよ。むしろ、ボールペンやシャーペンは、そのままダイレクトに自分の筆跡が出てしまうんです。万年筆は水性のインクなので、紙へのにじみ方がきれいですし、ペン先の滑りやすさも違うんですよ。クセのある字もうまくカバーしてくれて、逆にいい味になったりするんです。

高嶋さん

そうなんですね。今度試してみます！

光岡さん

大体便箋や一筆箋にはデザインが施されているので、文字も書道のお手本のような字体ではなく、やはり自分らしい文字の方が、明るさも出てなじむと思いますね。