安達辰彦×高嶋ちさ子

2016.01.15

バイオリニストの高嶋ちさ子さんと、銀座人たちの対談シリーズ。高嶋さんにとって銀座は、仕事でもプライベートでも思い入れのある街。そんな高嶋さんがゲストの方に、銀座のあれこれをディープに聞いていただきます。今回のゲストは、銀座のシンボルとして有名な「和光」の代表取締役社長、安達辰彦さんです。

銀座の名店とコラボレーションした企画品を展開。

高嶋さん: 和光さんが企画した商品もたくさん展開されていますよね。私もよく内祝いで、和光さんのものを頂きました。銀座の和光でお買い物するというのは、どこか憧れみたいなところもありますよね。
安達さん: そう言っていただけるのはありがたいことですね。これからも支持して頂けるよう努めて行きたいと考えております。
高嶋さん: 個人的には、スウィーツの品揃えに注目しています。木の棒に巻き付いたバームクーヘンがありますよね。
安達さん: 『ロアベールバウム』ですね。
高嶋さん: お嫁に来たときに主人の母から教えてもらって知ったんですが、見た目にかなりインパクトがありますよね。正直、相当度胆を抜かれたんですけれど、こんなことで驚いていちゃいけないと思って、平静を装っていました（笑）。
安達さん: そうなんですか（笑）。今年は発売から30周年を記念して特別なものを販売する予定ですよ。
高嶋さん: 楽しみですね！
安達さん: 私は食べ歩きが趣味で、並木通りにある二つ星フレンチレストランの『エスキス』に行きたいと思っていましたが、なかなか機会がありませんでした。フレンチはハードルが高いけれどパンなら気軽に食べられるのではないかということで、『エスキス』のパンを昨年9月から和光で取り扱うことにしたんですよ。エスキスのオリジナル以外に、和光限定のパンを4種、特別に作ってもらっています。
高嶋さん: 日頃からアンテナを張っていないとできないことですね。
安達さん: そのほか、もなかで有名な『空也』さんの5代目山口彦之氏の監修によるもなかもあります。今後も銀座のお店とコラボレーションして、クオリティーが高く、和光でしかお求めいただけない品を展開していきたいですね。

ロアベールバウム

伝統と革新の連続。いつの時代も成長していく銀座という街

高嶋さん: では最後に、銀座に対する想いをお聞かせください。
安達さん: 私自身、長年銀座で働いておりまして、大好きな街なんです。伝統のある街ですが、それは革新の連続によって積み上ったものです。そしていつの時代も成長していく、それが銀座という街なんです。過去には、インポートブランドやファストファッションブランドが街を席巻した時代もありましたが、結局、銀座のイメージに合う店は生き残り、合わないものは淘汰されていくんですね。
高嶋さん: 銀座フィルターのようなものがあるんでしょうね。
安達さん: そうですね。新しいものを受け入れながら、銀座に合うものだけが残っていく。そしてまた次のステージに進んでいく、それが銀座のよさだと思います。伝統は新しいものの積み重ねでもあるんですよ。
高嶋さん: 今は海外からもたくさんの方が銀座にお見えですよね。
安達さん: 懸念しているのが、以前から銀座に足を運んで下さっているお客様をないがしろにしていないのかということですね。海外から観光に大勢来ていただいて、商機であることは間違いないのですが、免税店がどんどん増え、観光客ウケするものばかり売っていていいのかどうかということです。銀座は日本一の商業都市である以上、まずは日本人の方に向けて、国内外の本当に素晴らしいものをご紹介するというスタンスを忘れてはならないと思います。ひいてはそれが、海外の方に「日本人が評価するものだからいいのね」とご理解いただけて、お買い上げにつながるのではないでしょうか。銀座としての〝品〟や〝格〟は、見失ってはいけないと思いますね。

高嶋ちさ子

ヴァイオリニスト。6歳からヴァイオリンを始め、海外で活躍後、日本に本拠地を移し、全国各地でコンサートを行っている。現在は、演奏活動を中心としながらも、テレビやラジオ番組の出演などでそのキャラクターが評価され、活動の場はさらに広がりを見せている。

高嶋ちさ子オフィシャルウェブサイト

安達辰彦

1952年東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、75年に株式会社三越（現株式会社三越伊勢丹）に入社。三越銀座店店長から2013年4月に株式会社和光の専務執行役員に。6月より株式会社和光代表取締役社長に就任。

取材・文：岡井美絹子　取材場所：銀座和光本館

高嶋ちさ子　ニューアルバム「Strings on Fire」　絶賛発売中！

高嶋ちさ子待望のニューアルバム「Strings on Fire」がリリース！
今作は次男（6歳）のチェロと共演した「いつか二人で」を含め3曲オリジナル作品を収録。それ以外にもクラシックのスタンダードナンバーなど珠玉の全12曲収録。
大人気漫画「NARUTO -ナルト-」の作者・岸本斉史氏による描き下ろしスペシャル・ジャケットが封入。
20th Anniversaryを迎えた、色物ではない“本物”のヴァイオリニスト高嶋ちさ子の新境地とも言える移籍2ndアルバム堂々完成。

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