GINZA CONNECTIVE (高嶋ちさ子対談シリーズ)

平山 仁×高嶋 ちさ子

GINZA CONNECTIVE VOL.46

平山 仁×高嶋 ちさ子

2015.08.17

ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんと、銀座人たちの対談シリーズ。高嶋さんにとって銀座は、仕事でもプライ ベートでも思い入れのある街。そんな高嶋さんに、ゲストの方をお迎えして銀座のあれこれをディープに聞いていただきます。今回のゲストは、銀座を含む首都圏で不動産業を営む「株式会社スペーストラスト」の代表取締役社長、平山仁さんです。

バーやクラブが入った銀座のビルを管理

高嶋さん
銀座で不動産屋さんとは、すごいですね。吉幾三さんの歌にもあるように、昔から銀座に不動産を持つのはみんなの憧れですから。
平山さん
いえいえ。うちは所有しているのではなく、あくまで人様のビルをお預かりして運営しているだけですので。仲介やプロパティマネジメント、ビルメンテナンスなど、基本的に、ビルをお預かりして当方の方で全部やります、というスタイルです。
高嶋さん
それでもすごいですよ。創業はいつですか?
平山さん
グループとしては今年60年目になります。祖父から始まって僕が3代目です。銀座からスタートして、現在は赤坂、新宿、六本木、渋谷でも展開しています。
高嶋さん
銀座のビルというとバーとかクラブが多そうですね。
平山さん
はい。私どもはソシアルビルと呼んでいますが、主に社交の場であるお店が入っています。7割以上が夜稼動するので、基本的には365日24時間稼動している仕事です。
高嶋さん
時代と共に移り変わりはありますか?
平山さん
老舗のクラブさんは長くやっていますが、ここ5年10年で銀座にもキャバクラの様なお店が増えてきて、キャッチの方を多く見るようになりました。とはいえ、やはり品格のある街だと思います。

人には話せない怖い経験も多い夜の現場

高嶋さん
ビルの管理というと、具体的にはどんなことをするんですか?
平山さん
電気が止まったとか、酔っ払いが寝ているとか、水が漏れたとか、いろいろです。
高嶋さん
えー! 酔っ払いの対応までやらなきゃいけないんですか? お客さんに関しては、お店の責任の気もしますけど……。
平山さん
どこかからフラフラ入った人もいますので、そういうわけにもいかないんです。クラブのママさんから電話で頼まれたら、行くしかないですね。
高嶋さん
おもしろい。ほかでは見られない世界が見られそうですね。
平山さん
銀座は平和な方ですが、管理している町の中には、ここでは話せない怖い現場もたくさんありますね。監視カメラに見てはならないことも写っていることもありますし……。それに、銀座のビルのオーナーさんは大抵資産家の方で高い要求があるんですが、テナントさん達も譲らない部分があるので、両者の間に立ち、家賃交渉等をうまくまとめるのも私たちの仕事です。ストレスに強くないと勤まらないかもしれません(笑)
高嶋さん
なんだか聞くのが怖いです。一番大変だったことは?
平山さん
そうですね。やはり3.11の東日本大震災のときです。管理しているビルを1軒1軒見てまわり、エレベーターに閉じ込められた人がいないか、ビルに異常がないかを確認しました。結果的に甚大な被害はなかったんですが、あの日は携帯も通じないし、エレベーターも動かず大変でしたね。
高嶋さん
そっかあ。人のトラブルもあれば、自然災害の対応もあって、大変なお仕事ですね。

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