GINZA CONNECTIVE (高嶋ちさ子対談シリーズ)

谷澤 信一×高嶋 ちさ子

GINZA CONNECTIVE VOL.26

谷澤 信一×高嶋 ちさ子

2013.11.01

ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんと、銀座人たちの対談シリーズ。高嶋さんにとって銀座は、仕事でもプライベートでも思い入れのある街。そんな高嶋さんに、ゲストの方をお迎えして銀座のあれこれをディープに聞いていただきます。今回のゲストは、鞄専門店の老舗「銀座タニザワ」の4代目、代表取締役社長の谷澤信一さんです。

四季折々の銀座のイベントや街づくりに貢献

高嶋さん
今年4月に全銀座会の代表幹事、銀座通連合会の理事長に就任されたそうですが、どんなことをされているんですか?
谷澤さん
今年取り組んでいるのが、街路樹ですね。今の街路樹は試験的に植樹しているもので、現在は専門家のご意見をお伺いしながら、今後に向けて本格的に進めている段階です。それから、銀座ではフリーWi-Fiも使えるんですよ。昨年から、主に外国人の観光客向けに始めたサービスなんですが、昨年は銀座通りに13か所、今年は晴海通りに9か所のアクセスポイントを設置し、エリアの拡大を図っています。
高嶋さん
旅先でフリーのWi-Fiが使えると便利ですもんね。
谷澤さん
あとは催事ですね。今は、ちょうどこの記事が掲載される時に開催されている『オータム・ギンザ』の準備を進めているところです。たとえば「レストランウィーク」では、普段なかなか敷居の高い店でも気軽に入れるように、ランチ3000円、ディナー1万円の均一価格でお料理を提供しています。メインイベントとなる「銀茶会」では、銀座通り周辺で野点を楽しめます。茶道五流派が一堂に会し、各流派がお点前を披露するというのは他にはない試みかと思います。
高嶋さん
銀座の秋の風物詩ですよね。
谷澤さん
「銀茶会」では毎年有名店の和菓子をお茶と一緒にご提供しておりますが、今年は東北の和菓子屋さんの和菓子も登場しますよ。
高嶋さん
それは楽しみですね。
谷澤さん
『オータム・ギンザ』は11月3日まで開催されていますので、是非お越しいただきたいですね。また、その後は年末のイルミネーションがあります。今年は“希望の輪”というテーマで、12月3日からイルミネーションが始まりますので、楽しみにしていてください。

オータム・ギンザのメインイベント「銀茶会」の様子

家伝統や文化を大切に、誰もが楽しめるのが銀座の魅力

高嶋さん
これから銀座はどのようにあってほしいですか?
谷澤さん
銀座は、これからもずっと銀座らしくあってほしいですね。では〝銀座らしさ〟って一体何なんだろうということですが、これについては1984年に、我々の先輩方が“銀座憲章”という銀座の指針となるものを制定しています。今も銀座通連合会の会議室に掲げられていますが、『銀座は創造性ひかる伝統の街、銀座は品位と感性たかい文化の街、銀座は国際性あふれる楽しい街』という3本柱でして、これがそのまま私にとっての理想とする銀座ですね。これからも伝統を重んじる街であってほしいし、商業文化や演劇文化も大切にする街であってほしいし、観光客の方にとって楽しめる街でありたいと思っています。そのために私も連合会の役員として、今何をしなければならないのか、常に考えていかなければいけないですね。
高嶋さん
私、もう16年くらい王子ホールで「ギンザめざましクラシックス」というコンサートをやっているんです。この街を選んだ理由は、いろんな新しいことを取り入れつつも伝統も大切に守っていることが、我々がやっていることと共通しているなと思ったからなんです。
谷澤さん
なるほど。銀座という街は、まさしく高嶋さんがおっしゃる通りですね。
高嶋さん
今では全国でやっているんですが、新しいものと伝統が融合している街というのはなかなかないですね。
谷澤さん
そうかもしれないですね。それがまさに銀座らしさなんだと思います。

次回のゲストは……?

高嶋さん
次回のゲストをご紹介いただけますか?
谷澤さん
銀座を代表する喫茶店「銀座みゆき館」の鈴木社長です。こちらのモンブランがとても有名で非常に美味しいので、取材された時は是非食べてみてください。

高嶋 ちさ子

ヴァイオリニスト。6歳からヴァイオリンを始め、海外で活躍後、日本に本拠地を移し、全国各地でコンサートを行っている。現在は、演奏活動を中心としながらも、テレビやラジオ番組の出演などでそのキャラクターが評価され、活動の場はさらに広がりを見せている。

高嶋ちさ子オフィシャルウェブサイト

谷澤 信一

鞄専門店「銀座タニザワ」代表取締役社長。〝銀座タニザワの歴史は日本の鞄の歴史〟と評されるほど、数々の傑作や名品を世に送り出している老舗の4代目。2013年、全銀座代表幹事、銀座通連合会理事長に就任し、本業の傍ら銀座の発展に力を尽くしている。

「銀座タニザワ」ウェブサイト

取材・文:岡井美絹子  取材場所:銀座タニザワ

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