GINZA CONNECTIVE (高嶋ちさ子対談シリーズ)

堀川 理恵×高嶋 ちさ子

GINZA CONNECTIVE VOL.14

堀川 理恵×高嶋 ちさ子

2012.11.01

ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんと、銀座人たちの対談シリーズ。高嶋さんにとって銀座は、仕事でもプライベートでも思い入れのある街。そんな高嶋さんに、ゲストの方をお迎えして銀座のあれこれをディープに聞いていただきます。今回のゲストは、明治時代から続く眼鏡店の老舗『岩崎眼鏡店』の取締役である堀川理恵さんです。

美術品の鑑賞や普段の生活にも便利なミュージアム・グラスを考案。

高嶋さん
ちなみに、こちらにある取っ手がついたユニークな形のメガネは何ですか?
堀川さん
ミュージアム・グラスと呼ばれるメガネですね。3代目の社長が考案したもので、商標登録もしています。
高嶋さん
初めて聞いたんですけど、どういう用途で使うんですか?
堀川さん
ミュージアムというネーミングのとおり、美術品の鑑賞などに最適なメガネなんです。たとえば、美術館に行かれたときになどに、壁にかかっている展示物をよく見たいと思っても、ロープなどで囲いがしてあって近くで見ることはできませんよね。しかも、メガネをかけていても、1mくらいの展示物にはピントが合いにくいんです。というのも、遠方用メガネ普通3mくらいからピントが合うようになっているからなんですね。そういうときにこのミュージアム・グラスを普段かけているメガネに当てがって見ると、くっきりと展示物をご覧になることができます。
高嶋さん
絵画を見るときに使う専用のメガネということですか?
堀川さん
考案のヒントになったのは絵画鑑賞ですが、近くになるものを見るときにも便利です。たとえば、観劇などのプログラムなどを見るときにも役立ちますし、美容院でメガネをはずしたあと、雑誌を読むときにも重宝します。
高嶋さん
老眼鏡とはまた違うんですか?
堀川さん
そうですね。老眼鏡的な使い方なんですが、もっと細かい文字を見たいときに、通常のメガネにプラスして使っていただくものですね。ブローチ型などもありますし、おしゃれな装身具としても使っていただいています。

子供のころのいちばんの楽しみは、レンズの加工室で遊ぶことでした。

高嶋さん
今年の4月にご出産されたそうですね。おめでとうございます。
堀川さん
ありがとうございます。なので今は産休中ですが、落ち着いたら仕事に復帰したいと思っています。私の母も私を育てながら仕事を頑張ってくれていたので、私も母を見習いたいですね。
高嶋さん
堀川さん自身は銀座で育ったんですか?
堀川さん
そうですね、半分くらいは。店舗があるこのビルの9階に祖父母が住んでいたので、よく遊びにきていました。
高嶋さん
どういう所で遊んでいたんですか?
堀川さん
博品館や向かいの松坂屋さんにあった本屋によく行っていましたね。でもいちばんの楽しみは、お店の加工室でしたね。レンズを削る機械があったりして、店の職人さんたちによく遊んでもらっていました。不要になったレンズを星型に削ったりして遊んでいました(笑)。
高嶋さん
それは他ではできない遊びですね(笑)。

いろいろな人が楽しめる銀座のよさを知ってもらいたい。

高嶋さん
堀川さんにとって銀座はどういう街ですか?
堀川さん
ショーウインドーを見て歩くだけでも楽しい街ですし、私の祖父のように凛とした佇まいでいらっしゃる方が歩いているのを見ると、やっぱり素敵な街だなと思います。憧れは未だに強くありますね。
高嶋さん
お嬢さんとは銀座のどこに遊びに行きたいですか?
堀川さん
歩行者天国とか一緒に歩きたいですね。コンパクトにいろいろなものが集まっている街ですので、家族で安心して歩ける街だと思います。
高嶋さん
今後、銀座はどうあってほしいと思いますか?
堀川さん
日本の昔ながらのものばかりでなく、海外ハイブランドのものからファストファッションまで、新しいものを受け入れている多様性がある街ですから、いろいろな人が楽しめると思うんです。敷居が高い銀座というイメージだけではなく、あらゆる年代の方に銀座のよさを知ってもらいたいですね。

次回のゲストは……?

高嶋さん
次回のゲストをご紹介いただけますか?
堀川さん
「高橋洋服店」の代表取締役社長 高橋 純さんです。高橋さんの洋服に対する思いやこだわりを是非聞いていただきたいです。

高嶋 ちさ子

ヴァイオリニスト。6歳からヴァイオリンを始め、海外で活躍後、日本に本拠地を移し、全国各地でコンサートを行っている。現在は、演奏活動を中心としながらも、テレビやラジオ番組の出演などでそのキャラクターが評価され、活動の場はさらに広がりを見せている。

高嶋ちさ子オフィシャルウェブサイト

堀川 理恵

明治28年創業、『岩崎眼鏡店』の取締役。趣味はスキー。「人の生活を豊かにしてくれるメガネの良さを、ひとりでも多くの方にを提案していきたい」と日々奮闘中。

「岩崎眼鏡店」ウェブサイト

取材・文:岡井美絹子  取材場所:岩崎眼鏡店

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