銀ぶら百年

Ginza×銀ぶら百年 Vol.28

憧れの「米倉」で床屋談義

 床屋談義、という言葉がある。床屋(理容、理髪店)で髪を刈ってもらいながらオヤジさん(店員でもいいけれど)と世相やら町内会の噂話やらをやりとりすることだ。ここでも一度そういうスタイルの取材をやってみたい、と思っていた。というより、そんな感じで銀座の老舗「米倉(よねくら)」のことを書いてみたい...

Ginza×銀ぶら百年 Vol.27

木挽町の活字屋さん

 歌舞伎座の横道を京橋のほうへ歩いていくと、マガジンハウスを過ぎたあたりからぽつりぽつりと古い建物が見られるようになってくる。近ごろはイタリアンやフレンチのレストランも増えてきたけれど、そんな家並の一角に「中村活字」の看板を出した、小さな印刷屋さんがある。  二階屋の玄関のガラス戸越しに、...

Ginza×銀ぶら百年 Vol.26

西銀座通りの民芸の王様

 西銀座(外堀)通りを新橋のほうへ歩いていくと、8丁目のブロックに入ったあたりに、<たくみ>の看板を出した民芸品の店がかなり昔からある。ひところまでコリドー街裏の高架下にあった<インターナショナルアーケード>のように、東京オリンピックのころに外国人観光客を目当てに店開きしたのではないだろうか...

Ginza×銀ぶら百年 Vol.25

銀座復興を願って「はち巻岡田」へ

 「はち巻岡田」という店の存在を知ったのは、80年代の中ごろだと思う。5年勤めた会社を辞めて、こういうフリーのライターになって、運よく仕事も順調に増えて、2冊、3冊と本も出た。そんな初期の著書の出版打ち上げかなにかで銀座に通じた編集者に連れてきてもらったのが最初だったはずだ。そのとき、戦前か...

Ginza×銀ぶら百年 Vol.24

三愛のビルを建てた男

 銀座4丁目の交差点には「和光」をはじめとしてシンボリックな建物が集まっているけれど、北西側の角に建つ「三愛」の円筒形のビルも銀座風景を象徴する物件、といっていいだろう。昭和7年(1932)に竣工した和光(服部時計店)のビル(2代目)ほど古くはないものの、三愛ドリームセンターと呼ばれるこの建...

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