16回目を迎えた中央エフエム「Hello! RADIO CITY」の「! AMAZING GINZA !」コーナー。今回は全銀座会環境安全委員長の松澤芳邦が出演。路上違法置看板の撤去、歩道上の自転車走行への対応、ゴミ出しルールの徹底など、街の安心・安全、衛生面に関わる課題解決に向けて日々奔走しています。安全と清潔は街の基本。お客様に安心して銀座にいらしていただくために、この3つの課題に粘り強く地道に活動しています。
番組名: | Hello! RADIO CITY(中央エフエム 84.0MHz) |
放送日時: | 2020年9月17日(木)12:05~12:20 |
ナビゲーター: | JUMI |
出演者: | 松澤芳邦(全銀座会環境安全委員長、銀座丸八株式会社 代表取締役社長) |
薬屋から不動産賃貸業へ、今は銀座人の「社員食堂」を楽しむ毎日
- JUMI
- 今日のAMAZINGなゲストの方をご紹介しましょう。全銀座会環境安全委員長、そして銀座丸八株式会社代表取締役でいらっしゃる松澤芳邦さんです。松澤さん、お願いいたします。
- 松澤
- よろしくお願いいたします。
- JUMI
- このコーナーには初めてご登場いただきました。
- 松澤
- 大変緊張しております。
- JUMI
- リラックスしてまいりましょう。
- 松澤
- ありがとうございます。
- JUMI
- 今回のメッセージテーマが「あなたの銀座、Go To Eat in 銀座」なのですが、松澤さんは銀座のどのお店でお食事をされたいですか。
- 松澤
- たくさん行きたいお店はありますが、あえて言うのであれば銀座通りの高級しゃぶしゃぶ店「銀座らん月」の地下にある「酒の穴」というお店ですね。銀座らん月さんで使用されている高級なお肉を割安に提供していただけます。ランチであれば1,000円ほどで食べることができます。「社員食堂」のような形で頻繁利用されている銀座の方々も多くいらっしゃるようです。
- JUMI
- ということは、お店に行くと銀座界隈のお知り合いに会うことも多々ありそうですね。
- 松澤
- 結構お会いしますね。お忍びで行くには向いていないかもしれませんね(笑)。
- JUMI
- 大変良い情報を教えていただきました。ありがとうございます。日頃銀座でお仕事をなさっていると思うのですが、お仕事の内容や銀座との関わりを教えてください。
- 松澤
- 本業としては先ほどご紹介いただいたように、銀座丸八株式会社という不動産賃貸業をしております。大変歴史が古く、創業が1696年、今から324年前になります。初代が信州伊那から銀座に出てきまして薬屋を始めました。
- JUMI
- すごいですね。最初は薬屋さんなんですね。
- 松澤
- 万金丹(まんきんたん)と呼ばれる難病に効く薬や、当時まだ珍しかった歯磨きを売っていた記録があります。
- JUMI
- 万金丹って聞いたことがありますね。松澤さんは何代目になられるのですか。
- 松澤
- 私も聞いたことはありますね。ただ、その薬屋さんは昭和40年代にやめてしまいまして、現在は不動産賃貸業のみやっております。父が9代目なので、我々の代で10代目となります。
- JUMI
- 創業が324年前というのもすごいですね。
- 松澤
- はい。日本の歴史的には赤穂浪士の討ち入りのあったあたりの時代ですね。
- JUMI
- 松澤さんが今のお仕事に就かれたのはいつ頃なんですか。
- 松澤
- 実は大学を卒業してから22年間銀行に勤めておりました。5年前に退職して家業である今の会社に入りました。
- JUMI
- ということは、家業に入られるまでは銀座との関わりは遠かったのですか。
- 松澤
- そうなんです。ただ、銀行員時代は日本橋勤務が長かったので、近くにはいました。今は銀座で楽しく日々を過ごしています。
- JUMI
- 楽しそうな雰囲気を感じますね。ちなみに銀座のどのようなところがお好きですか。
- 松澤
- 銀座は高級なイメージを持たれているかもしれませんが、先ほどお話しした「酒の穴」のような庶民的なお店があるところが好きです。小売店ですと銀座には世界的な高級ラグジュアリーブランドが集結しています。その一方で、誰もがご存知のMUJIやLOFT、東急ハンズ、ニトリなどのお店もあります。最近では日本最大のグローバル旗艦店として、UNIQLO TOKYOがオープンしました。本当に便利な街だと思います。
- JUMI
- 本当に困ることがありませんよね。世界中の多くの方が「銀座は食の街」と思っている方もいると思いますが、食の世界はどうでしょうか。
- 松澤
- 高級なお寿司屋さんやフレンチなどもありますが、先ほど申し上げた「酒の穴」に代表されるような結構お値打ちな定食屋さんも多数あります。私自身もそういったお店を毎日代わる代わる回っているんですよ。
- JUMI
- たしかに銀座のランチがお得というのは皆さんおっしゃってますよね。
- 松澤
- 私は甘いものも大好きなんです。銀座にはパフェやケーキ、そして和菓子などたくさんのお店があり、それも銀座の魅力だと思っています。
「歩いて楽しい街」のために取り組む3つのこと
- JUMI
- 松澤さんは全銀座会の環境安全委員長をなさっているそうですね。これはどのようなお役なのでしょうか。
- 松澤
- 銀座をさらに安心・安全な街にしようと取り組んでいる委員会です。
- JUMI
- 全世界の都市の中でも銀座は安心・安全な街だと言われており、私もそう思っています。それを維持するためにさまざまな工夫をされているそうですね。
- 松澤
- 私はこの役目に就いて1年ですが、昔からいろいろな活動がされてきました。
- JUMI
- どのようなことをテーマに活動なさっているのでしょうか。
- 松澤
- テーマは大きく3つあります。路上の置き看板をなくすこと、歩道の自転車走行をなくすこと、そして、ゴミ出しルールを徹底することです。
- JUMI
- この3つを以前ラジオで取り上げたこともありましたが、非常に大きな命題ですね。まず初めに置き看板はどのような状況なのでしょうか。
- 松澤
- 置き看板は、飲食店さんなどが(敷地内ではなく歩道や道路などの)道に置いている看板のことです。置いてある場所が国道である銀座通りの歩道上であったり、(銀座通りと並行する細い)区道だったりするわけですね。そこに看板を置くことは違法な行為となります。
- JUMI
- そうですよね。国道、区道は私有のものではないですものね。
- 松澤
- お店があることを宣伝したいという気持ちはわかるのですが、看板があると歩行者がぶつかったり、置いてある看板を避けて歩くことで車道の車と接触することも考えられ、非常に危険なんです。
- JUMI
- このことに対処するために警察署などと連携はされているんですか。
- 松澤
- はい。地元の築地警察署や中央区、国道事務所などと連携し、定期的に「環境安全運動」を実施し、看板を置かないようお願いのパトロールをしています。
- JUMI
- 1つ1つのお店にお願いをして、歩いて巡回されて、大変な活動ですね。中央区は平坦な街で非常に自転車が便利な街ですが、走行自転車に関してはいかがでしょうか。
- 松澤
- これは非常に難しい問題です。銀座通りの歩道や歩行者天国内では自転車走行を禁止しています。最近、電車やバスなどの密集する空間を避けて自転車で通勤される方が増えています。それに伴い銀座通りの自転車走行が急激に増えてしまっています。
- JUMI
- これはぶつかってしまうと危険ですものね。
- 松澤
- はい。お子さんも歩いていますからね。警察署や中央区とも連携しまして、走行自転車を見かけたら押し歩きをするよう声がけをしています。
- JUMI
- ルールを守るからこそ、楽しく安全な街になりますからね。
「綺麗で衛生的」は街の基本、粘り強い活動が皆の意識を変える
- JUMI
- そして、最後にゴミ出しルールのことをお聞きします。銀座は世界有数の繁華街ですからゴミの量も半端ないと思います。
- 松澤
- そうなんです。銀座の街では「全銀座ゴミ出しルール」というものを定めました。これは綺麗で衛生的な街を目指すべく、飲食店や事業所が出すゴミを袋のまま外に置くのではなく、蓋つきの箱にゴミ袋を入れて出すということを銀座全域で徹底しました。
- JUMI
- 袋のまま置いておくとネズミやカラスに荒らされてゴミが散らばるわけですよね。
- 松澤
- そうですね。特にネズミは歯が鋭いので、袋を簡単に破いてしまいます。そして、袋の中の生ごみはネズミたちの格好のえさになります。しっかりゴミ箱に蓋をしておけば、ネズミのえさはなくなるので、繁殖を防ぐことにつながります。またそれに加え、ネズミ駆除専門業者さんにネズミの駆除もお願いしています。この2本柱で活動を進めています。
- JUMI
- 銀座の方だけではなく、専門業者さんも入っているのですね。
- 松澤
- 業者さんのこれまでの経験をご指導いただきながら、銀座にはどのようなやり方が最適か考えながら行っています。また2つの施策は2018年6月から銀座3丁目のみテスト的に実施しました。これが大変効果があり、ネズミを見かけることもなくなり、ゴミの散乱もなくなりました。この事例を銀座全域に展開していこう、ということになり、銀座にある23町会の町会長さんに説明し、賛同を得て、昨年の9月より銀座全域でこのプロジェクトを拡大してスタートしました。
- JUMI
- スタートさせるまでとても大変だったのではないでしょうか。
- 松澤
- はい、言うのは簡単なんですが、実行するのはとても大変でした。銀座にはゴミの収集所が630カ所もあるのですが、毎月1回、すべてのゴミ収集所の写真を夜中に撮影し、ちゃんとゴミ箱でのゴミ出しができているかをチェックしました。また銀座全域で9,000カ所の郵便受けがあるのですが、そのすべてにゴミ出しルールを記載したチラシをポスティングしました。
- JUMI
- すごいですね。すべて松澤さん達がポスティングしたのですか。
- 松澤
- 近隣は私たちが回り、遠方は業者さんにもお願いしました。また、ポスティングではなく直接お願いにあがることもありました。このような骨の折れる作業を私たちだけではなく街の方、業者さんが協力して粘り強く行ってきました。
- JUMI
- プロジェクトの結果はどうでしたか。
- 松澤
- 現在では約50%の方々に、蓋つきゴミ箱によるゴミ出しをしていただけるようになりました。また、開始から半年が経過した頃から、街の皆さんより、「ネズミを見かけることがほとんどなくなったね」と、おっしゃっていただけるようになりました。とても成果が出たプロジェクトではないかと思っています。
- JUMI
- すばらしいですね。皆さんの意識が高まったんですね。
- 松澤
- さらに実施にあたっては、中央区さんから助成金を頂きました。本件プロジェクトは、中央区さんのご支援あってのものですので、大変感謝しております。
- JUMI
- このような活動をなさっている松澤さんから銀座に訪れる方、働いている方へ、あらためてお伝えになりたいことはありますか。
- 松澤
- まず銀座で働いている方にですが、日頃よりゴミ出しルールプロジェクトにご協力をいただき、心からお礼を申し上げます。先程申し上げた通り、今のところは成果が出ておりますが、油断するとゴミが散乱し、ネズミの数も増えてしまいます。来年も本件プロジェクトは継続していきますので、ぜひとも引き続きご協力をお願いいたします。
- JUMI
- 引き続き、気を緩めてはなりませんね。
- 松澤
- 次に、銀座のお客様にですが、銀座は今、清潔な街を目指して総力を挙げてがんばっております。感染症対策も徹底しておりますので、ぜひ安心して銀座に遊びに来ていただけるとうれしいです。
幾度の苦難も乗り越えてきた銀座、今回の危機もチャンスに変えて
- JUMI
- 銀座は「3つの密」を避けて感染防止に取り組んでいますものね。ぜひ足を運んでいただきたいです。これから先、銀座の街はどうなっていくとお考えですか。
- 松澤
- 銀座は特にインバウンド比率が高い街でしたので、コロナの影響で来街者が減り、率直に厳しい状況が続いております。おそらく1年程度は、インバウンドのお客様が戻ってこない可能性があります。日本の皆様に、今まで以上に銀座にお越しいただけるように、我々が努力しなければならないと思います。
- JUMI
- 私はこの事態を銀座の街はきっと乗り越えていけるだろうと思っています。
- 松澤
- おっしゃるように、必ず乗り越えられると思っています。銀座はこれまで、長い歴史で見れば、江戸の大火、関東大震災、そして、第二次世界大戦の空襲と、3回も焼野原になりました。そして、そのたびに更にパワーアップして危機を乗り越えています。今回もそれに匹敵する危機だと思いますが、皆で力を合わせて、銀座の魅力を高めていければと思っております。
- JUMI
- そうですね。これからの銀座に期待したと思います。それでは最後にリスナーの方へのメッセージお願いします。
- 松澤
- コロナの影響で、これまででしたらなかなか予約が取れないような人気店が、今なら比較的入りやすいです。高級なお店にもかかわらず、特別メニューをご提供しているお店もございます。おいしい「名店」に行けるチャンスですので、ぜひぜひ銀座に遊びに来ていただけるとうれしいです。よろしくお願いいたします。
- JUMI
- 貴重なお話をありがとうございます。本日は全銀座会環境安全委員長、そして銀座丸八株式会社代表取締役でいらっしゃる松澤芳邦さんにお越しいただきました。松澤さんありがとうございました。
- 松澤
- ありがとうございました。
出演者プロフィール
JUMI
2010年から中央エフエムにてナビゲーター、プロデューサーとして番組制作等に携わる。
知れば知るほど奥深く、沢山の「宝物」を有する中央区の魅力を「ヒト・モノ・コト・オト」を軸として、多くのリスナーの方々にラジオを通してお伝えしたいと活動する日々。
街と人と橋と地下鉄をこよなく愛しています。
松澤芳邦
1994年に大学卒業後、22年間銀行に勤務。2015年12月に家業である銀座丸八株式会社(不動産賃貸業)に入社し、代表取締役社長に就任。昨年4月より銀座通連合会三丁目支部会長、昨年6月より全銀座会環境安全委員長として、銀座の皆様と一緒に力を合わせ、更に安心・安全な街にすべく、日々奮闘中。職業柄、銀座の建物を見学するのが趣味。
協力:中央エフエム株式会社(http://fm840.jp/)
リンクをシェアする