中央エフエム「Hello! RADIO CITY」の「! AMAZING GINZA !」コーナーでは、隔週で銀座の商店主がAMAZINGな銀座を紹介しています。今回は全銀座会防災対策委員長の亀岡正博が出演。商店がひしめき合う銀座では、ひとたび火事や災害が起きれば大惨事につながりかねません。日々の防災意識や訓練が有事の際にも街の様相を大きく左右することから、日頃から防災意識を高く持ち、事前の準備を心掛けることを防災対策の立場から語りました。
番組名: | Hello! RADIO CITY(中央エフエム 84.0MHz) |
放送日時: | 2020年8月20日(木)12:05~12:20 |
ナビゲーター: | JUMI |
出演者: | 亀岡正博(全銀座会防災対策委員長、有限会社並木ビル 代表取締役) |
「銀座を守るのは君だ」
- JUMI
- 今日のAMAZINGなゲストの方をご紹介しましょう。全銀座会防災対策委員長であり、有限会社並木ビルの代表取締役でいらっしゃいます、亀岡正博さんです。亀岡さんよろしくお願いいたします。
- 亀岡
- よろしくお願いいたします。
- JUMI
- いい感じに日焼けされて、身体を鍛えてらっしゃるなあというお姿ですね。
- 亀岡
- ありがとうございます。
- JUMI
- 今日は亀岡さんに銀座の防災について伺っていこうと思うのですが、その前に今日のメッセージテーマが「コロナ禍、あなたのマイブーム」なんですが、亀岡さんはいかがですか。
- 亀岡
- 最近はトレーニングにハマっています。コロナ禍でジムに行くこともできなくなりましたので自宅でトレーニングをしています。
- JUMI
- すごいですね。かなりトレーニングはされますか。
- 亀岡
- 息子と一緒になってかなりがんばっています。
- JUMI
- 防災対策というお立場から、普段から体調には気を付けなければならないところだと思います。まず最初に、亀岡さんのプロフィールや普段のお仕事の様子、銀座とのかかわりについて教えていただければと思います。
- 亀岡
- 銀座で生まれ、銀座で育ちました。普段はビル管理の仕事をしていて、銀座にかかわって40年以上になります。
- JUMI
- お住まいも中央区内ということで、生粋の銀座っ子ですね。全銀座会の防災対策委員長ということですが、これは突然のお役なのでしょうか。
- 亀岡
- 昨年10月に前委員長の森連さん(もり・れん)から引き継いでくれないかというお話を頂戴し、生まれ育った街を守るためにも、引き受けさせていただきました。
- JUMI
- 亀岡さんは消防団にも入られているとのことですが、何歳ごろからなのですか。
- 亀岡
- 25歳のときなので、今から20年ほど前ですね。前防災対策委員長の森さんは、私が20年前に消防団に入ったときから「銀座を守るのは君だ」とよく仰っていました。
- JUMI
- きっと森さんの目が鋭かったのでしょうね。先見の明がおありになったのでしょうね。
- 亀岡
- そう仰っていただけると嬉しいです。
- JUMI
- 前委員長の森さんが銀座の防災対策を作り上げてきたなかで、いろいろな表彰をいただいているそうですね。
- 亀岡
- そうなんです。数年前に「第9回防災街づくり大賞」の「消防長官賞」をいただきました。応募するのも難しいようで受賞できることは大変名誉なことであると聞いています。
- JUMI
- 防災街づくりにどのように貢献したか、あるいはどのような工夫をしたかなど、かなり審査が厳しいものなのですね。
- 亀岡
- はい。そういうことだと思います。
「わが街は、わが手で守る」という心意気が育てるもの
- JUMI
- 少し話は変わりますが、銀座生まれ、銀座育ちの亀岡さんは銀座のどのようなところがお好きですか。
- 亀岡
- 生まれ育った街だからこそ好きだというのもありますが、なかでも銀座は人と人とのつながりを感じられるところが好きです。
- JUMI
- ハイカラ、おしゃれな街と思われている方も多いいと思いますが、実に人情のある街なんですよね。
- 亀岡
- そうですね。表面だけではなく、人と人との付き合いが銀座の街を形成しているように思います。
- JUMI
- そして例年でしたら1年を通していろいろなイベントがあるわけですが、今年は残念ながら中止になっていますよね。長年街を見てきた亀岡さんとしてはどうですか。
- 亀岡
- 非常に残念ですね。活気ある銀座の姿が見られないのは少々さみしい部分もあります。
- JUMI
- 先ほど、消防団についてお話をお聞きしましたが、銀座の方で消防団のことをご存知ない方もいらっしゃるように思います。銀座の消防団は正式には「京橋消防団第三分団」というそうですね。具体的にはどのような活動をされていますか。
- 亀岡
- 大きなイベントでは「銀座震災訓練」があります。「銀座震災訓練」は1982年から毎年8月に開催され、昨年で38回を迎えました。昨年は約550事業所から2,000名ほど参加され、AEDや初期消火の訓練を行いました。参加者が多いことからも、銀座の事業所は防災意識が高いことがわかります。今年はコロナの影響で残念ながら中止になってしまいましたが、このような時期でも防災意識を高く持ち続けてほしいですね。先ほどの「防災街づくり大賞」もこの活動を継続してきたことが評価され受賞に至りました。また水害を防ぐための水防訓練や救命講習の指導の補助、可搬ポンプによる放水訓練、京橋消防署との連携訓練なども行っています。普段は月に一度集まって、資機材の点検や取り扱いの訓練などをしています。
- JUMI
- 橋のたもとに消防団の倉庫がありますよね。
- 亀岡
- はい。倉庫は街のいたるところにありますね。消防団の倉庫には一般的に可搬ポンプやチェーンソー等資機材が入っています。
- JUMI
- 水防というなかで、銀座の街には土のうなども用意されているんでしょうか。
- 亀岡
- 事業所によっては用意をされているところもあるようですね。
- JUMI
- 土のうに関しては積み方にコツがあるそうですね。
- 亀岡
- 袋に土を入れて並べれば水が止まるというものではないんですよ。日々の訓練や知識を得てから並べないと、せっかくの土のうも宝の持ち腐れになってしまいます。ネットで検索するだけでもいろいろな情報が出てきますので、ぜひ事前に調べてみてください。
- JUMI
- 銀座の街は火事も起きますし水害も起こり得ます。また、地下街も広いです。このあたりすべてを管轄なさっているのでしょうか。
- 亀岡
- はい。すべて管轄しているので、何かあればすぐ駆けつけます。
- JUMI
- 火災などは夜中に起きることもありますよね。例えば、晩酌をしたあと酔っ払って寝ている場合ではないという状況になることもありますか。その際自分を律するようなことはありますか。
- 亀岡
- ありますね。お酒を控えることはしています。もちろんお酒を飲んだまま現場に行くわけにはいきませんもんから。特に今はSNSも普及していますから酔っぱらった消防団が現場にいたら大ごとになってしまいますしね。
- JUMI
- ということは、普段から意識を高く持ってらっしゃるということなんですね。消防団にはたくさんのお仲間がいらっしゃると思いますが団結力の強さはなんでしょうか。
- 亀岡
- わが街を、わが手で守ろうという気持ちが一つになり、団結につながっていると思っています。
- JUMI
- 実は京橋第三分団は、とても素晴らしい大会で優勝されているそうですね。そのなかでも非常に記憶に残る大会があったそうですね。
- 亀岡
- はい。東京都主催の「東京都ポンプ操法大会」で優勝したことです。23区に割り当てられている可搬ポンプを使用し、火点である的を放水によっていかに早く倒すかタイムを競います。ですが、間違った行動や操作がないかという規律の部分も得点に大きく影響します。5人1組で行われるので、チームワークも重要な要素の一つです。私はこのチームワークこそが一番大事だと思っています。1人で優勝できたわけではないですからね。そして、これこそが消防団の団結につながり、街を守っていく強い力になるのだと思います。
- JUMI
- 第46回の大会で優勝されたんですね。これはすごいですね。
- 亀岡
- ありがとうございます。京橋消防団創団以来初めての優勝でしたので、当時はものすごい盛り上がりでした。京橋消防署管内(7個分団)の大会では現在6連覇中で、自分自身は今までに17回出場し、そのうち11回優勝することができました。これも、分団の仲間や消防署、地元の協力してくださったみなさんのおかげと思っています。
- JUMI
- 浜町公園でも大会が行われていますよね。
- 亀岡
- それは同じ中央区内で活動している日本橋消防団が毎年行っている大会ですね。ちなみに東京都の大会も毎年行われていますが、我々、京橋消防団が出場できるのは4年に一度しかないんですよ。
- JUMI
- 4年に1回というとオリンピック・パラリンピック(以下:五輪大会)のような感じですね。
- 亀岡
- そうなんです。ちょうど五輪大会のときに我々、京橋消防団に出場の権利が回ってくるので、五輪大会が来ると「東京都大会の時期が来たなあ」と感じます。今年は東京五輪大会もなくなってしまい、11月の都大会も中止になってしまいましたが。
- JUMI
- 残念なことですよね。来年に順延されればよいですね。
- 亀岡
- はい。
救急車が来ない?
- JUMI
- 銀座の街は通りが碁盤の目のようになっており、小さいお店から大きな百貨店までいいろいろなお店が混在していますね。消防団の方は普段どんなことに気を付けられていますか。
- 亀岡
- 私は地域のつながりが大切だと考えているので、周りにどんな方がいてどんなお店があるのか意識しながら歩いています。また銀座ではゴミが問題になっています。ネズミが増えるという環境問題以外にも、ゴミに火をつけられてしまう可能性もあります。防災面においてもゴミ対策は非常に大事なことだと思っています。実際にそういったボヤが何度か発生したこともありました。
- JUMI
- お店の皆さんにも夜間ゴミを放置しないように呼びかけをなさっているのですか。
- 亀岡
- これについては町会や通り会の皆様が中心になって進めています。各事業所や商店などに声かけをし、ご理解とご協力をいただきながら、ゴミ出しルールを守ってもらうようお願いしています。
- JUMI
- 最後に防災・防火の視点から中央区の皆さんにお願いしたいことをお伝えください。
- 亀岡
- JUMIさんは、中央区に救急車が何台あるかご存じでしょうか。
- JUMI
- 知らないです・・・。6台くらいですか。
- 亀岡
- いい線ですね。実は4台しか救急車がありません。まずは救急車が少ないことを皆さんに認識していただきたいです。震災や災害時では「公助」である救急車は呼んだとしてもなかなか助けに来られません。ですから皆様には日々の訓練であったり防災意識を少しでも高めていただくことをお願いしたいですね。
- JUMI
- 「自助共助」の観点からも救急車が来るまでの間、自分と周りで助け合う必要があるということですね。
- 亀岡
- はい。まさに仰る通りです。
- JUMI
- まだまだお聞きしたいお話はあるのですが、最後にリスナーの方へ一言お願いします。
- 亀岡
- コロナ禍で大変な状況ではありますが、震災を含め災害はいつ起きるかわかりません。災害が起きたときのために日々訓練をしたり備えたりを忘れずにしていただきたいと思います。大災害から年数がたちますと、どうしても意識が薄れてしまったり、後回しにしてしまったりすることも多いと思います。このラジオをきっかけに防災について再認識していただき、家族や自分の身をどう守っていくか、今一度考えていただければと思います。
- JUMI
- 亀岡さんのような消防団の方々がいらっしゃるおかげで、街が守られているのですね。また皆さんも自身のこととして捉えていただければと思います。本日は全銀座会防災対策委員長、有限会社並木ビル代表取締役でいらっしゃいます亀岡正博さんをお招きしました。亀岡さんありがとうございました。
- 亀岡
- ありがとうございました。
出演者プロフィール
JUMI
2010年から中央エフエムにてナビゲーター、プロデューサーとして番組制作等に携わる。
知れば知るほど奥深く、沢山の「宝物」を有する中央区の魅力を「ヒト・モノ・コト・オト」を軸として、多くのリスナーの方々にラジオを通してお伝えしたいと活動する日々。
街と人と橋と地下鉄をこよなく愛しています。
亀岡正博
日本体育大学卒業後、有限会社並木ビルに入社し、2015年代表取締役に就任。銀座3丁目に建つ1956年竣工の並木ビルにて貸ビル業を営む。2000年には消防団に入団。2005年には銀実会に入会し、2014年には第63代理事長を務める。2015年から銀座出世地蔵尊奉賛会理事、銀座1-4丁目並木通り会会長。2019年から京橋消防団第3分団副分団長、全銀座会防災対策委員長。
協力:中央エフエム株式会社(http://fm840.jp/)
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