GINZA Q&A

Vol.08 
銀座の街で防災対策はしていますか?

 銀座では毎年8月の最終金曜日、午前9時から1時間強の時間を使い、銀座通りを中心として「銀座震災訓練」を実施しています。この訓練は、国内外から銀座に観光に訪れる方々を震災からお守りしようとの想いから始まった、今年で34回目となる街の恒例行事の一つです。
 銀座は商売の街です。ここに居住して商売をされている方々、銀座に通勤して働く方々が万一店舗での営業中に大地震が発生したとき、大切なお客さまをどうお守りするのか。その初期対応・対策を実施する地域密着型の訓練で、毎年約4000人の方が訓練に参加しています。訓練内容は、緊急地震速報受信時から発災時の対応訓練・初期消火訓練・応急手当訓練・負傷者搬送訓練・災害状況報告訓練・外来者誘導訓練・帰宅困難者対応訓練などです。店舗や事業所従業員が参加して体験をしています。そして訓練には区役所・警察署・消防署・消防団・医師会・東京電力・水道局・東京ガス・東京メトロ・JP・NTT・都市整備局などからご協力をいただいています。
 銀座の街は「地区内残留地区」に指定されています。これは地震発生時には建物倒壊の可能性が極めて低く、耐火構造の建物がほとんどなのでその後に火災が発生したとしても延焼の危険性が少ない地域を指します。地区内の近い距離(一区画程度)に退避すれば安全を確保でき、広域的な避難をする必要がないとされ、むやみに避難を行うと混雑に巻き込まれる可能性があるため、一時的には来街者や従業員は建物内で待機していただくこととなっています。
 また帰宅困難者対策ですが、4年前の東日本大震災のときには、道路を車や帰宅をしようとする方々が埋め尽くし問題となりました。この件は現在、街・事業所・行政が一体となって対策を推進しています。さらに昨年はおもに事業所向けの「銀座における地震発生時の行動マニュアル」(全24ページ)を作成し、来街者みなさまの安全の充実を図っています。
 このように銀座では「自分たちの街は自分たちで守る」の合言葉のもと、防災対策は「お客さまをお守りする心意気こそ真のおもてなしである」との考えで実施しております。

(京橋消防団 第三分団長 小田隆志)