CSR・CSV

ソニービル

Ginza×CSR・CSV Vol.9 ソニービル

愛の泉 ソニーグループのチャリティ・プログラム
『愛の泉』募金、年ごとの演出で楽しく

2013.12.09

クリスマスシーズンが到来し、銀座の街もイルミネーションで彩られています。「銀座☓CSR」の第9回は、毎年12月から1月にかけて、ソニービルで開催されるチャリティイベント「愛の泉」について、ソニービル館長の箭内和久さんにお話を伺いました。

新しいチャリティーの形を築く

  • ─ 「愛の泉」は今年で46回目を迎えますね。
  • 第1回の「愛の泉」が始まったのは、1968年です。当時は、「社会鍋」と呼ばれる街頭募金活動などはあったものの、まだチャリティー活動は一般的ではありませんでした。社会貢献活動を多くの方に受け入れていただくためには、何らかの演出が必要でした。

    そこで、ヒントを得たのがローマの「トレビの泉」です。泉の中にお金を投げ入れていただくという、独自の募金スタイルでスタートしました。回を重ねるごとに、その演出も形を変えてきました。

    昨年は、「ソニースクエア」(屋外イベントスペース)に、募金箱にお金を入れるとイルミネーションの色が変わるモニュメントを設置しました。クリスマスの時期なので、参加者に楽しんでいただけるように、募金の仕組みはアトラクション性を持たせています。募金活動だけでなく、銀座の街を盛り上げるために貢献できればと、毎年さまざまな趣向を凝らしています。
  • ─ ソニーグループ各社とは、どのような連携でプログラムを進めているのですか。
  • 例えば、PlayStation®Store(※1)で、売上の全額が寄付されるオリジナルカスタムテーマ(PS3®用)の販売を行ったり、ソニーグループキャラクターが募金活動をしたりしています。今年は、ソニーグループ19社2財団が協力しています。その他、ソニービルの店舗には、募金箱の設置や、対象商品やメニューの売上の一部を寄付していただくことで「愛の泉」にご協力いただいています。
  • ─ これまでの募金累計額はいくらになりますか。
  • 1968年から2012年までの寄付総額は、約7,300万円になります。
  • ※1「PlayStation」および「PS3」は株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントの登録商標でまたPlayStation®3は同社の商品です。

子どもたちの笑顔に支援の効果を実感

  • ─ 寄付金はどのような支援に使われているのでしょうか。
  • 寄付先は、ソニーグループのその年の社会貢献活動テーマとマッチする団体を選定しています。例えば、昨年は公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンとソニー株式会社が設立した東日本大震災復興支援プロジェクト「RESTART JAPANファンド」が推進する「夢実現プロジェクト」に寄付させていただきました。

    これは、東日本大震災でスポーツや文化活動ができなくなった子どもたちを支援するプロジェクトです。活動が再開できるよう、楽器やグローブ、バットの購入費、遠征費などに充ててもらいました。

夢実現プロジェクトにてユニフォームの支援を受けた野球チームの男の子

  • ─ 寄付を受けた子どもたちは、その後活動を再開できているのでしょうか。
  • 昨年のお正月に行った「愛の泉」のイベントで、おととしに支援を受けた子どもたちが、よさこいや虎舞、日本舞踊を披露してくれました。「皆さんに支援していただいたお陰でこのように活動が続けられています。」という御礼の気持ちが込められた演舞でした。このように、募金の結果として子どもたちが笑顔を取り戻した姿を見られることは嬉しいですね。

新地町 子供よさこいクラブ(福島県新地町)

磯草虎舞保存会(宮崎県気仙沼市)

日本舞踊 里の子会(福島県福島市)

  • ─ 今年の寄付先はどちらですか。
  • 46回目を迎える2013年は、国連開発計画(UNDP)が主催するサッカー・チャリティーマッチ「貧困との闘い(Match Against Poverty)」の収益・寄付金と合わせ、世界の貧困や災害、環境問題などに立ち向かう人々の支援に活用されます。

    オフィシャルFIFA パートナーであるソニーは、2014年に開催されるFIFAワールドカップブラジル大会でサッカーを通じて、社会問題の解決に向けた支援を行うとともに、同じくサッカーを通じて社会課題の解決を目的とする、UNDPの「貧困との闘い」に賛同しており、今年の寄付先といたしました。

遊び心ある仕掛けで寄付を促進

  • ─ より多くの方が寄付にご協力いただけるように、どのような工夫をされていますか。
  • 参加していただく方に楽しんでいただけるような工夫を凝らしています。例えば、ソニーグループのキャラクターと一緒に記念撮影し、写真をプリントしてプレゼントしています。その参加者には、いくらでも良いので寄付にご協力いただいています。

    今年、屋外イベントスペースに設置したイルミネーション「Crystal Aqua Trees 2013」には、右に「パターン」の募金箱、左に「カラー」の募金箱があります。例えば、左右の募金箱で、「赤」「波模様」を選んで同時にお金を投入すると、「赤い波模様」のイルミネーションが点灯します。「赤」「黄」の募金箱に同時に投入すれば、「オレンジ」の光に変わります。このように、遊び心のある仕掛けがあることで、カップルで楽しめたり、1人の方が何度も試してくださるのです。
  • ─ 「愛の泉」は、銀座のクリスマスシーズンには欠かせないイベントとなっていますね。
  • 銀座に来て46年。まだまだ新参者です。ソニーのブランドを定着させるためには、商品だけではなく、社会貢献活動を通じて、私たちの理念をご理解いただくことが大切だと感じています。

    外堀通りを境に千代田区と中央区が分かれています。そういう意味では、ソニービルは銀座のゲート的な場所。銀座の象徴的な場所の一つではないでしょうか。これからも、銀座の街に貢献できるような「愛の泉」を続けていきたいと思います。

ソニー企業株式会社 ブランディングサイトマネジメント室 室長 兼 ソニービル館長

箭内 和久

銀座 ソニービル内のソニーショールーム勤務を皮切りに、ブランディング拠点の大阪・お台場を担当し現職に至る。「おもてなしの心」、「マルチタスクで迅速な判断」をモットーとする。

インタビュアー

杉山 香林

株式会社オルタナ コンサルタント 外資系IT企業や広告代理店、PR会社で、マーケティング・コミュニケーション、および事業戦略、新規事業開発に従事。2008年に独立、社会的課題解決に向けた啓蒙プロジェクトや、企業とNPOの協働支援、CSR活動のコンサルテイング、実務推進サポートを行っている。

取材・文:杉山香林  企画・編集:株式会社オルタナ

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