三枝亮×高嶋ちさ子

2017.12.01

バイオリニストの高嶋ちさ子さんと、銀座人たちの対談シリーズ。高嶋さんにとって銀座は、仕事でもプライベートでも思い入れのある街。そんな高嶋さんがゲストの方に、銀座のあれこれをディープに聞いていただきます。最終回となる今回のゲストは、子ども服専門店の老舗「ギンザのサヱグサ」の代表取締役社長、三枝亮さんです。

ほかの街にはない先進的な取り組みと、家族のようなアットホームさが混在する銀座

高嶋さん: 三枝さんは、今銀座でどんな取り組みをされているんですか？
三枝さん: 今は情報委員長として、高嶋さんにもご協力いただいているこの『銀座オフィシャル』という公式サイトの運営であったり、『G Free』という街全体の無料Wi-Fi化、『G Info』という観光案内所の開設など、街全体の情報発信を行っています。実は6年前に、『銀座オフィシャル』の前身となる『銀座コンシェルジュ』という公式サイトがあったんですが、より銀座の魅力を発信すべく、銀座の店主の方のインタビューなど新コンテンツを盛り込み、リニューアルしました。おかげ様でこの6年でアクセス数もすごく増えまして、高嶋さんがインタビュアーとしてご登場いただいたこの対談企画は、銀座としても大変感謝しています。これまで72回にわたって銀座にまつわる人たちと対談されてきましたが、高嶋さんはどんな印象をお持ちになりましたか？
高嶋さん: どの方も心に余裕があって、穏やかな方が多かったですね。しかも街のみなさんが、まるで銀座の大きな家族のよう！　誰とお話ししても、ああどこどこの誰々さんね、と横のつながりがしっかりしていて、どこか小さな町の商店街で行われているような会話が微笑ましかったです。どんなすごい老舗の社長さんでも、ちゃんと顔が見えるというか、親しみやすさを感じました。いい意味で、銀座の街に対する敷居が下がりましたね。あとはみなさん、自分のお店にはすごく誇りを持っていらっしゃるんですが、必ず「上には上がいますから」と謙虚だったのが印象的でした。

縁日が復活！？　革新を続ける銀座のこれから

三枝さん: 今後こんなことを銀座でやってほしいという希望はありますか？
高嶋さん: あ、あります！　金曜日とかの夜に縁日をやってほしいですね。
三枝さん: 実は、銀座通りで毎日のようにやっていた時代があったそうなんです。ぜひ復活させたいと思っているんですが、今はさまざまな規制があって難しいんですね。でもなんとか縁日に結び付けるイベントをやりたいということで11年前に始まったのが、浴衣のお祭り『ゆかたで銀ぶら』でした。そしてようやくこの夏、縁日のようなお祭りが開催できたんです。泰明小学校さんの校庭をお借りすることができまして、そこに櫓を立てて盆踊り大会を開催しました。
高嶋さん: 屋台も出たりしたんですか？
三枝さん: はい。数は多くはないのですが、つばめグリルさんや三笠会館さん、維新號さん、銀座千疋屋さんなどの有名店が出店してくださって、とても盛り上がりましたよ。
高嶋さん: 贅沢ですね！
三枝さん: 地元の人たちが参加できる縁日のようなお祭りが欲しかったので、私たちとしても非常に大切な第一歩だと思っています。
高嶋さん: いつ開催されたんですか？
三枝さん: 8月の第一日曜日でした。できれば東京オリンピック・パラリンピックの2020年には、銀座四丁目の交差点あたりに櫓を立てたいなと思っているんですよ。
高嶋さん: 絶対やるべきですね！
三枝さん: 来年は高嶋さんもご参加していただけるとうれしいです。ぜひ浴衣でいらしてください。
高嶋さん: 子どもたちと一緒に遊びに行きますね！　では最後に、銀座に対する想いをお聞かせください。
三枝さん: 銀座は、本物を求めてくるお客様がいらっしゃる数少ない街のひとつだと思うんです。お客様に本当にいいお店だと思っていただくための難しさはあるんですが、期待値の高いお客様にお応えするのは大変勉強になりますし、子どもさんや親御さんなど、年齢を問わず、本物を伝えていける街でありたいなと心から願っています。
高嶋さん: 私も元々銀座は好きな街でしたが、この企画を通してさまざまな方たちの銀座に対する真摯な気持ちをお伺いして、ますます銀座が好きになりました。
三枝さん: この企画は今回で最終回になりますが、今後も高嶋さんには銀座の顔として、いろいろなことにご協力いただければと思っています。
高嶋さん: こちらこそどうぞよろしくお願いします！