GINZA CONNECTIVE (高嶋ちさ子対談シリーズ)

安田 元慶×高嶋 ちさ子

GINZA CONNECTIVE VOL.58

安田 元慶×高嶋 ちさ子

2016.09.06

バイオリニストの高嶋ちさ子さんと、銀座人たちの対談シリーズ。高嶋さんにとって銀座は、仕事でもプライベートでも思い入れのある街。そんな高嶋さんがゲストの方に、銀座のあれこれをディープに聞いていただきます。今回のゲストは、江戸時代創業の老舗仏壇・仏具店「安田松慶堂」の代表取締役、安田元慶さんです。

仏壇の形は変われど、故人を思う気持ちは変わらない

高嶋さん
仏壇・仏具を作るにあたって、昔と今で変わったことはありますか?
安田さん
以前は欄間に豪華な彫り物があったり、障子扉がついていたりと重厚なものが多かったんですが、時代の流れによって、コンパクトなものが主流になってきましたね。また、そもそも和室がない家で、リビングに置くとなると、やはりシンプルでモダンなデザインだったり、お手入れのしやすいものだったりが求められている気がします。材料にオールナットやメープルを使った製品もたくさんありますよ。
高嶋さん
特に東京は、マンション住まいの方も多いですもんね。
安田さん
ええ。それから心理的な部分でも、仏壇はよりパーソナルになってきたなと思います。本来、仏壇の中は“浄土の世界”で、故人の写真など生きていたときの姿は置いてはいけない決まりがありましたが、今は、もっと故人を身近に感じたいということで、生前の写真を飾ったり、骨壺から少しだけ分骨して置いたりする方が増えてきています。また、「故人が好きだったから」と、ご飯やお茶ではなく、パンやコーヒーをお供えすることも。でも、私はそれでいいと思っています。故人を想って行動することが何より大切ですから。
高嶋さん
しきたりよりも大事なことってありますもんね。逆に、昔から変わらないこともありますか?
安田さん
形やスタイルは変わっても、やはり「故人をいつまでも大切に想っていたい」「一周忌、三回忌など年忌ごとの法要はしっかり行いたい」という、亡くなった方に対する“供養の気持ち”は変わっていないですね。
高嶋さん
確かにそのとおりですね!
モダン仏壇

モダン仏壇

“究極の商店街”である銀座らしいおもてなしを

高嶋さん
安田さんは銀座インフォメーションマネジメントの理事を務めてらっしゃると伺いましたが……。
安田さん
はい。あとは、2020年の東京オリンピックに向けて銀座をよりいっそう魅力的な街にしていくためにはどうしていけばいいかを考えるプロジェクト「G2020」にも参加しています。
高嶋さん
具体的にはどんな活動を?
安田さん
銀座という街のブランドを確立するための話し合いをしたり、街ぐるみで行うイベントの企画などを行ったりしています。
高嶋さん
街作りに積極的に関わっていらっしゃる中で、安田さんなりの銀座に対する思いを聞かせてください。
安田さん
私は銀座を“究極の商店街”だと思っています。大きな百貨店も小さな個人商店も共存していて、日本人だけではなく、さまざまな国からのお客様もたくさん集う。そんな街は銀座しかありません。だからこそ、長年この地で店を構えている身としては、どんなお客様に対しても銀座らしいおもてなしができるような街であってほしいと願っています。また、銀座は世界的にも有名な街で、最近はアルファベットで「GINZA」と表現されることも多いですが、うちは仏壇屋という商売柄、さすがにカタログなどを「GINZA」とするわけにはいきません。漢字のほうの“銀座”にふさわしいおもてなしの形を追求したいですね。
高嶋さん
こちらにも外国の方が来られるんですか?
安田さん
最近は多いですよ。先日もお盆用の提灯を買っていかれました。自宅のインテリアとして提げるんでしょうね。どうやら外から見ると、日本のお土産屋さんに見えるようです(笑)。
高嶋さん
なるほど(笑)。

高嶋 ちさ子

ヴァイオリニスト。6歳からヴァイオリンを始め、海外で活躍後、日本に本拠地を移し、全国各地でコンサートを行っている。現在は、演奏活動を中心としながらも、テレビやラジオ番組の出演などでそのキャラクターが評価され、活動の場はさらに広がりを見せている。

高嶋ちさ子オフィシャルウェブサイト

安田 元慶

安田松慶堂代表取締役。1975年東京生まれ。大学卒業後、株式会社和光に入社。銀座・和光に3年間務めた後、神戸にある仏壇・仏具店での1年半の修業を経て、安田松慶堂に入社。現在に至る。趣味は、靴磨き。昔から手をかけて何かを育てるのが好きで、今は2児の子育てが楽しい。

取材・文:ヨダ ヒロコ 取材場所:安田松慶堂 銀座本店ショールーム

MUSE〜12 Precious Harmony〜

高嶋ちさ子 12人のヴァイオリニスト ニューアルバム「MUSE〜12 Precious Harmony〜」リリース

高嶋ちさ子 12人のヴァイオリニスト名義で約4年ぶりのアルバム「MUSE〜12 Precious Harmony〜」がリリース。
今作品は結成10周年を記念して12人のヴァイオリニストをメインに、クラシックの名曲を始めとして彩りあふれたアルバムになっています。
オリジナル曲は3曲含まれており、「SPLASH!!!」はスキマスイッチによる作曲・共演と今までにはない楽曲など全12曲収録。

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