GINZA CONNECTIVE (高嶋ちさ子対談シリーズ)

松﨑 宗仁×高嶋 ちさ子

GINZA CONNECTIVE VOL.28

松﨑 宗仁×高嶋 ちさ子

2014.01.01

ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんと、銀座人たちの対談シリーズ。高嶋さんにとって銀座は、仕事でもプライベートでも思い入れのある街。そんな高嶋さんに、ゲストの方をお迎えして銀座のあれこれをディープに聞いていただきます。今回のゲストは、江戸時代から続く老舗「銀座 松崎煎餅」の代表取締役 松崎宗仁さんです。

お煎餅屋の2階で、イベントを開催。新しい試みを取り入れたい。

高嶋さん
(対談をしている)こちらの2階のお茶席では、イベントも行っているんですね。
松崎さん
はい、息子が主体となって月に1~2度ペースで、閉店後にさまざまなイベントを行っています。息子が音楽好きなので、ロックやボサノバ、三味線など、いろいろやっていますよ。最初は、私がお酒を飲めないので和菓子とお茶をお出しして行っていましたが、やはりいい音楽と共にお酒を楽しみたいという方の声もあり、これからはシャンパンなどもお出ししようかと考えています。
高嶋さん
私も全くお酒を飲めないので、お気持ちわかります(笑)。ビルでは画廊もやっているんですね。
松崎さん
場所をお貸ししているだけですが、銀座には画廊に行くという目的だけで足を運ばれる方も多くいらっしゃいますので、楽しんでいただけているようです。個展をやるには広すぎると言われることも多いスペースなのですが、書の先生に好まれてよく使っていただいています。
高嶋さん
銀座にはさまざまな人が集まりますね。
松崎さん
そうですね。あとカメラ好きの方も多いですね。以前、「あんどーなつ」という漫画の原作者である西ゆうじさんが写真好きで、熱心に撮影に来られていました。2013年に亡くなられたので、その方の回顧展もここで企画しました。2階のお茶席では、宝塚の女優さんがファンクラブの集いを行ったこともありましたね。三味胴にお好みの絵柄を入れることができるオーダーサービスを行なっているのですが、その時は、ファンクラブの皆さんに配る用として女優さんのお名前入りの三味胴をオーダーしていただきました。
高嶋さん
オリジナルの三味胴、いいですね!配るのにはちょうどいい大きさだし、私も作りたいです!いつかツアーの際にはお願いしたいな。
松崎さん
ぜひ、お待ちしております。

定期的にイベントが行なわれる2階のお茶席

周辺で暮らす人々のことを考えた街づくりをしていきたい。

高嶋さん
歴史あるお店を今も守られていて、代々受け継いでいる“精神”をぜひ伺いたいです。
松崎さん
いやぁ、煎餅屋なのでたいした考えはないんですが(笑)。祖母からは1枚1枚心を込めて手を抜くなと厳しく言われて来ました。昔は煎餅を手で焼いていたのでその名残りなんですが、それは今も、1人1人のお客様への接客、包装など、ひとつひとつを大切にとも言えることだと思っています。
高嶋さん
お祖母さまがいろいろ教えてくださったんですね。
松崎さん
ええ。ものを大切にということは、祖母からさんざん言われてきました。出されたものは全部食べろとか、ごはん粒は残すなとか。でも、そういう基本的なことは大事だなと今になってしみじみ思うんです。そういう精神は代々受け継いでいきたいですね。
高嶋さん
素晴らしいですね。では最後に、銀座への思いをお聞かせください。
松崎さん
ちょうどオリンピック前にして、築地の移転もありますし、今は湾岸地域のマンションも増えていて銀座の町にはさらに新しい風が吹いています。一時は人口が減った時代もありましたが、今は近隣地域の住人の数もどんどん増えている状態です。昔は外から来てくださる銀座でしたが、これからは地元に近い方が訪れる街として、さらに楽しく、安心で安全な街にしていけたらと思っています。

次回のゲストは……?

高嶋さん
次回のゲストをご紹介いただけますか?
松崎さん
素敵な帽子を作りつづけていらっしゃる、銀座ボーグの代表取締役 原 弘さんです。原さんは帽子職人でもあるので、帽子に関する興味深いお話を聞けると思いますよ。

高嶋 ちさ子

ヴァイオリニスト。6歳からヴァイオリンを始め、海外で活躍後、日本に本拠地を移し、全国各地でコンサートを行っている。現在は、演奏活動を中心としながらも、テレビやラジオ番組の出演などでそのキャラクターが評価され、活動の場はさらに広がりを見せている。

高嶋ちさ子オフィシャルウェブサイト

松崎 宗仁

1953年生まれ。「銀座 松崎煎餅」代表取締役。大学卒業後、京都で修行し、7代目に就任。趣味はウォーキング。過去には、20kg減量したことも。隅田川の新川から勝どき橋、両国橋を通る約7㎞のコースを四季を感じながら歩いているそう。

「銀座 松崎煎餅」ウェブサイト

取材・文:高橋瑞穂  取材場所:銀座 松崎煎餅

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