GINZA CONNECTIVE (高嶋ちさ子対談シリーズ)

岡副 徳子×高嶋 ちさ子

GINZA CONNECTIVE VOL.6

岡副 徳子×高嶋 ちさ子

2012.03.07

バイオリニストの高嶋ちさ子さんと、銀座人たちの対談シリーズ。高嶋さんにとって銀座は、仕事でもプライベートでも思い入れのある街。そんな高嶋さんがゲストの方に、銀座のあれこれをディープに聞いていただきます。今回のゲストは、大正時代に創業した老舗料亭「金田中」の若女将、岡副徳子さんです。

今年も芸と料亭のお弁当が楽しめる〝東をどり〟が開催されます。

高嶋さん
こういう世界もあるんだなって本では読むんですけど、やっぱり想像がつかないですね(笑)。
岡副さん
今度ぜひいらっしゃって下さい。ちょうど5月27日から30日までの4日間、隣の新橋演舞場で〝東(あずま)をどり〟という芸者さんの芸の発表会があるんです。5年くらい前から料亭も参加しておりまして、食と踊りが楽しめるイベントなんですが、どなたでも気楽に楽しめると思います。その4日間だけは新橋演舞場が料亭になり、普段ならあまり見ることのできない芸者さんを見ることができます。
高嶋さん
新橋演舞場で料亭のご飯が食べられるんですか?
岡副さん
6つの料亭によるお弁当をご用意しています。吉兆さんの創業者である湯木貞一さんが考案された松花堂弁当を吉兆さんの献立でお出しするんですが、6軒とも同じ献立で作るんです。
高嶋さん
すごく面白そうですね!
岡副さん
例えば卵焼きだったら、温泉卵だったり、出汁巻きだったり、それぞれ趣向を凝らしてお出しするんです。ただし、どこのお弁当かは選べないんですけどね。
高嶋さん
それもユニークですね。
岡副さん
選べるようにしてしまって、「金田中」のお弁当だけ残っちゃったら残念ですから(笑)。
高嶋さん
そんなことはないですよ(笑)。
岡副さん
自分で選べないんですが、隣と違うお弁当がくるので楽しいかなあと思います。
高嶋さん
一般の方も行って大丈夫ですか?
岡副さん
もちろんです。
高嶋さん
普段西洋のものをやっているので、こういうイベントはすごく興味があります。
岡副さん
大勢の方に来ていただきたいですね。花柳界は料亭と芸者衆が運命共同体で成り立っているので、この街をなくしたくないなという気持ちがあります。
※「東をどり」に関する詳しい情報はこちら

東をどりの様子

人とのつながりを大切に、刺激し合いながら発展してきたのが銀座の街。

高嶋さん
銀座でお仕事されて24年ということですが、銀座の移り変わりを肌で感じることはありますか?
岡副さん
子供の頃、祖母や母と一緒に銀座でお買い物やお食事をして帰るというのが一番の贅沢だったんです。大人になって、今実際にこの場所で働いてみて、移り変わりというより、銀座の人のつながりをすごく感じます。
老舗といわれるお店が何軒かなくなったり、新しいお店が入ってきたり、少しずつ変化はしているなと感じるんですが、もともと銀座はいろいろなものを受け入れ、みんなでつながりを持って発展していった街だと思うんです。これからも、みんなが来たくなるようなハイカラな街であってほしいですね。いいものは残しながら、変わっていける街でありたいなと思います。
銀座には気心の知れた仲間もいますし、それぞれが応援団みたいなところがあるかもしれません。
高嶋さん
すごく大きいようでいて、仲間とのつながりを大切にしていて、お互いが刺激し合えるっていいですね。なんだか学校みたいですね。
岡副さん
そうかもしれないですね。どなたかが頑張っていると応援したくなるし、いい刺激になってこちらも頑張れるんです。

次回のゲストは……?

高嶋さん
次回のゲストをご紹介いただけますか?
岡副さん
「遠藤波津子 美容室」の代表取締役社長 遠藤 彬さんです。日本初の洋式美容室で、明治の時代から続く歴史の長い美容室なんです。美容についてのお話をいろいろと伺えると思います。

高嶋 ちさ子

バイオリニスト。6歳からバイオリンを始め、海外で活躍後、日本に本拠地を移し、全国各地でコンサートを行っている。現在は、演奏活動を中心としながらも、テレビやラジオ番組の出演などでそのキャラクターが評価され、活動の場はさらに広がりを見せている。

高嶋ちさ子オフィシャルウェブサイト

岡副 徳子

料亭「金田中」の若女将。お茶、煎茶、書道、華道などをたしなみ、日本の伝統文化である料亭を次なる世代にも残していきたいとの思いで日々励んでいる。
趣味は、歌舞伎やオペラ、クラシック鑑賞。

「金田中」ウェブサイト
「東京新橋組合」公式サイト

取材・文:岡井美絹子  取材場所:新ばし 金田中

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